『桜井政博のゲームについて思うことX』(桜井政博著・エンターブレイン)より。 (『大乱闘スマッシュブラザーズ』や『星のカービィ』シリーズの生みの親、桜井政博さんが『週刊ファミ通』に連載されているコラムを単行本にした本から。巻頭の作曲家・植松伸夫さん(『ファイナルファンタジー』シリーズの作曲など)との対談の一部です) 【桜井政博:最近は映像の表現がどんどん進化しているので、音楽の主張とかみ合わなくなってきているのかなと思います。メロディーを重視して音楽が前面に出すぎると、映像と食い合ってしまいますよね。 植松伸夫:環境音のような音のほうが、いまのゲームと合ったりするんですよ。でもそれって、音楽家にとってはあまりおもしろいものではなかったりするけど。 桜井:ホントそれ、『スマブラX』を作っているときはわたしもすごく悩みました。いろいろな方に曲を作っていただいて、できた曲を映像にあてがおうとする