メディアプレーヤー
iPhone 3Gの音楽/動画プレーヤーとしての機能は、従来のiPod touchとほとんど同じだが、ちょっとした工夫で従来より操作性の向上が図られている。
iPod touchが日本で発売された際、スクロールホイールを備えたiPodのほうが使いやすいという意見が少なからず聞かれた。iPhone 3G/iPod touchでは、画面に表示される曲リストを指でスクロールして、タッチで再生を指示する。音量コントロールもタッチパネルを使う。そのため、iPod touchでは、とっさに曲を止めたいときや、音量を変えたいときにも、いちいちカバンから取り出して、画面を見ながら操作しなければならなかった。従来のiPodなら、ポケットの中に入れたまま、手探りで操作できるため、音楽プレーヤーとしてはiPod touchより従来のiPodのほうが使い勝手がいいというわけだ。
それではiPhone 3Gでは何が変わったのだろうか? iPod touchとの違いを中心に見ていこう。
【その1】ヘッドホンにリモコンが付いている
iPhone付属のヘッドホンは、一見するとほかのiPod用と同じに思えるが、よく調べると右側のイヤホンのケーブルの途中に、マイクとリモコンが付いている。このリモコンを指で一回はさむと曲の再生/一時停止、二回はさむと次の曲に移動する。
つまりリモコンにより、曲の一時停止や再生/曲送りを、iPhoneをカバンやポケットに入れたまま簡単に行なえるようになったわけだ。なお、曲の再生中に電話がかかってきた場合は、このリモコンを1度指ではさむと通話に切り替わる。ちなみにこのヘッドホンをiPod touchに接続してみたところ、リモコン機能は使えなかった。残念!
【その2】本体左に音量調節ボタンがある
音量調整ボタンを本体に付けることで、タッチパネルを使わなくても曲の音量や電話の着信音量、通話音量をすばやく変更できるようになった。
【その3】スピーカーを内蔵している
これはほかのiPodにはない、iPhoneだけの特徴だ。ヘッドホンをしなくても音楽や動画を楽しめるため、友人といっしょに視聴したり、テーブルの上に置いてラジオやテレビのように流し聞きできる。ごろ寝しながらYouTubeを見るのにも最適だろう。
音質は飛び抜けていいわけではないが、小型にしては音量もそこそこにある。ヘッドホンのケーブルにわずらわされないので、重宝する機能だ。一度このスピーカーを体験すると、ほかのiPodにもスピーカーを内蔵してもらいたいと感じるほど手放せないものになる。
本体下部、パソコン接続用のコネクターの横にスピーカーを内蔵している
音楽を聴くには、パソコンが必要
iPhoneで音楽を楽しむには、パソコンとの同期が必ず必要になる。CDから曲を取り込んでiPhoneに転送したり、iTunes Storeで曲の購入やPodcastの登録をするには、iPhoneをパソコンに接続して、iTunesと同期しておく必要がある。
一度同期すれば、iPhoneでiTunes Storeから曲を購入できるようになる。iPhoneで購入した曲は、次にパソコンにつないだ際に、自動的にバックアップしてくれるので安心だ。なお、iPhoneで曲をダウンロード購入できるのは無線LAN接続時のみで、3G接続時は非対応となっている。
音楽再生の負荷は大きい?
iPhoneは、音楽を再生したままウェブを見たり、メモを取ったりできるが、ウェブページを開くときに、音がブチッと途切れることがたまにある。また、音楽再生中にウェブで検索しようと日本語を入力すると、かな漢字変換やキーの入力が異常に遅くなるときがあった。
「メモ」アプリでは音楽再生中も通常の速度で日本語が入力できたので、音楽を聴きながらウェブ検索するのは荷が重いのだろうか。ソフトのアップデートで改善されることに期待したい。