Kiss Xのよさを生かしつつ上位機種に迫る高機能化
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【SPEC】 開発元●キヤノン(株) 販売元●キヤノンマーケティングジャパン(株) 価格●オープンプライス(実売価格は本体のみ9万円前後、レンズキット10万円前後、ダブルズームキット13万円前後) http://canon.jp/ CMOS●22.2×14.8mm/有効1220万画素 マウント●キヤノンEFマウント 記録メディア●SD バッテリー●専用リチウム電池(LP-E5) サイズ●幅128.8×高さ97.5×奥行き61.9mm 重さ●475g(本体のみ) |
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【COMMENT】
新鮮な驚きには欠けるが、ライブビュー時のオートフォーカスや同社の上位機種に準ずる高輝度階調優先機能など、堅実に機能面が進化した。
キヤノン(株)のエントリーモデルに「EOS Kiss X2」が登場。手の小さな女性や子供でも扱いやすい小型軽量ボディーはそのままに、有効1220万画素の大型CMOSセンサー、映像エンジンDIGIC III搭載など、スペックも機能も正当な進化を遂げた製品だ。
最近のデジイチの傾向と同様、ライブビュー機能を搭載。
液晶モニターが3.0インチに大型化し見やすくなったが、ボタン類はすき間に追いやられている。十字キーに割り当てられている機能もKiss Xとは異なる。ライブビュー時は格子を表示でき、構図の確認がしやすい。オートフォーカスフレーム選択ボタンを押して5/10倍の拡大表示すれば、細部の確認やピント合わせに重宝する
同社製品では上位機種にもすでに搭載されているが、Kiss Xではライブビュー時のコントラスト検出によるオートフォーカスが可能。40Dや1D系では一度ミラーを戻してから通常のオートフォーカス動作をしなければいけないが、Kiss X2ではコンデジのように、ライブビュー状態のまま、オートフォーカス動作を行える。動作速度はコンデジの採用する「コントラスト検出方式」よりも反応が鈍いものの、動きの少ない被写体なら十分に実用性がある。
また、露出のシミュレーションもできるほか、一度ライブビューを解除しなければいけないとはいえ、ホワイトバランスの設定などもそのまま反映されるので、静物撮影に便利だ。
外観はグリップ部分の表面加工が変わり、見た目の質感がアップ。
またペンタプリズム付近のデザインが丸みを持った形状へと変化した。丸みが増したので、寸法的には若干大きくなってはいるものの、薄くなり、重量も35gほど軽量化されている。従来のKiss Xとの持ち比べでもさらに軽くなった印象を受ける。
電池の形状変更や記録メディアがSDカードになるなど、買い替えユーザーには厳しい部分もあるが、実用性が格段に上がり、エントリークラスとしては買い得感の高い機種である特徴は健在だ。
(次ページに続く)