“PowerEdge×Nutanix”アプライアンスは第2世代モデルが登場
「顧客に選択肢を」Software-Defined化するDC、デルの戦略
2015年02月26日 06時00分更新
デルは2月25日、「Dell PowerEdge」サーバーにニュータニックス(Nutanix)製ソフトウェアを搭載して提供するスケールアウト型の統合アプライアンス、「Dell XC シリーズ」の最新版2モデルを発表した。同日の発表会では、エンタープライズ事業部門の幹部が、次世代の“Software-Definedインフラ”への取り組みについても説明した。
Nutanixアプライアンスは1U/2Uモデルを追加
今回発表されたのは「Dell XC Webスケール・コンバージド・アプライアンス バージョン2.0」。第13世代のPowerEdgeサーバーにニュータニックスのソフトウェアを組み合わせ、Software-Definedストレージ(SDS)やコンピューティング、ハイパーバイザを提供する統合型のアプライアンス製品。
昨年(2014年)11月にはその第一弾として、2U/2ソケットサーバーであるR720xdをベースとした「XC720xd」を発表した(関連記事)。そして今回のバージョン2.0では、1U/2ソケットサーバーのR630ベースで構成された「XC630」、大容量ストレージを備える2U/2ソケットのR730xdベースで構成された「XC730xd」の2モデルをラインアップしている。特に仮想デスクトップ環境(VDI)やプライベートクラウド、ビッグデータ処理環境などに向いており、こうした環境を短期間かつ効率的に構築できるという。
ベースとなるPowerEdgeサーバーが第12世代から第13世代へと進化したことで、パフォーマンスの向上とさらなる高密度化が実現している。たとえばXC630では、前モデルXC720xdと比べて約半分のラックスペースで、より多くの仮想デスクトップを提供できる。またXC730xdでは、搭載ストレージ容量が最大32TBとなり、XC720xd比で容量が60%増加した。
また、保守サービスオプション「Dell ProSupport」において、従来の3年/5年契約に加えて1年契約も可能になっている。これにより、導入時の初期コストを抑えることができる。
同製品の国内における提供は、3月下旬からを予定している。
幅広いパートナーと協業し“Software-Defined”時代に対応
米デル ワールドワイド・セールスおよび戦略担当プレジデントのブライアン・ハンフリーズ(Brian Humphries)氏
発表会に出席した米デルのハンフリーズ氏は、デルではこの5年ほどの間に、プライベートカンパニー化や数多くの企業買収、販売モデルのオムニチャネル化、「エンドトゥエンドのソリューションプロバイダー」へのシフトといった施策を次々と実行し、PCやx86サーバーだけでなく「幅広い分野で力を付けてきている」と語った。同氏が率いるエンタープライズ事業部門のビジネスは、昨年度「10%を超える成長を遂げた」という。
一貫してオープンアーキテクチャ戦略を採ってきたデルが、現在、データセンター分野で注力するのが、インフラの“Software-Defined化”への対応である。「(Software-Defined DataCenterは)サーバーが中心となる世界。ストレージ、ネットワークといった機能をソフトウェアが担っていく世界だ」(ハンフリーズ氏)。
このSoftware-Definedの世界で、デルは幅広いテクノロジーパートナー(主にソフトウェアパートナー)との協業を進め、「顧客に幅広い選択肢を与える」戦略を採っている。今回発表されたXCシリーズもその一つだ。
デルの提供する、オープンスタンダード準拠かつワークロードに最適化されたシステムが、導入コストと運用コストの両方、つまり総所有コスト(TCO)を引き下げるものになると、ハンフリーズ氏は強調した。
「デルはいつでも、業界のあり方を変え、既存ベンダーの牙城を突き崩し、より多くの顧客にテクノロジーを届けるべく、テクノロジー導入の敷居を下げてきた」「市場では今、デルにいい風が吹いている。デルには(他の大手ベンダーのような)“レガシーのしがらみ”や“守るべきプロプライエタリな仕組み”がない。これまでPC分野、サーバー分野でやってきたことを、データセンター分野でもやっていこうと考えている」(ハンフリーズ氏)