BlackBerryが今後エンタープライズとプロシューマーにフォーカスする新戦略を発表した。これに合わせ、端末のラインナップは6機種から4機種に縮小する。業績低迷の長期化を受け、4500人規模の解雇を行なう計画も明らかにした。
発表されたばかりのフルタッチ型のハイエンド端末「BlackBerry Z30」
この計画は、同社が9月20日に発表した2014年第2四半期(6~8月期)の暫定決算と同時に明らかにした。暫定決算では、同期の売上げは16億ドル、米国会計基準に基づく営業損失は9億5000万ドル~9億9500万ドルとしており、10億ドル近くの損失を計上する見込みだ。損失の内訳は、スマートフォンの販売不調による在庫調整評価損が9億3000万~9億6000万ドル、これに7200万ドルのリストラコストが加わった数字となる。調整後の純損失は、2億5000万ドル~2億6500万ドルと計算している。
同期のスマートフォンの出荷台数は370万台。多くを占めるのはBlackBerry 7ベースの旧機種であり、1月に発表したBlackBerry 10ベースの「BlackBerry Z10」はエンドユーザーに販売されるまでカウントされないと説明している。
BlackBerryは8月に、売却を含めた選択肢を検討することを明らかにしているが、これを継続する一方で20日、新しい方向性としてエンタープライズとプロシューマー(プロフェッショナル・エンドユーザー)にフォーカスする計画を発表した。
同社CEOのThorsten Heins氏は、新しい方向性により「エンタープライズ向けのセキュリティー、管理性、信頼性という点でのBlackBerryブランドを構築する」と述べ、これらのユーザー層をターゲットに、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを含むエンドツーエンドのソリューションを提供するとしている。
これにより製品ラインナップを6製品から、ハイエンド2機種とローエンド2機種の合計4製品に縮小する。これにはタッチタイプとQWERTYキーボードタイプの両方が含まれ、9月に発表したハイエンドの「BlackBerry Z30」登場によりZ10はローエンドと位置づけるという。サーバーミドルウェアの「BlackBerry Enterprise Server 10」については、7月時点で1万9000だったインストール数が2万5000に増加したことを報告している。
これと合わせて、事前に報じられていたリストラ計画についても発表した。世界ベースで人員削減を進め、約40%に相当する4500人をカットする。これらの結果、3四半期後(9ヵ月後)までに営業費用を半減する計画という。
同社は27日に正式な業績報告書を発表することになっている。