オールフラッシュストレージの導入でますます用途は拡がる
ネットアップ、適材適所のフラッシュ活用について語る
2013年06月18日 07時00分更新
ネットアップが定期的に開催しているストレージ勉強会4回目のテーマは、今まさに旬のフラッシュだ。2月に発表されたフラッシュ戦略の背景になにがあるのか? ネットアップ ソリューションSE部部長 河西学氏から詳細に説明された。
フラッシュ技術の適用に重要な「ポートフォリオ」
今回のテーマは、今がまさに旬のフラッシュ。I/O性能という点では圧倒的な性能を誇っているフラッシュだが、まだまだ高コストで、容量面でもHDDにおよばないのも事実。こうした現状で、河西氏が重要だと考えているのは、HDDとフラッシュを用いた製品の「ポートフォリオ」だという。
ネットアップ ソリューションSE部部長 河西学氏
古くからストレージ製品の選択は、容量とパフォーマンスという2つが基本要素となる。これは20年間変わらない傾向だ。しかし、HDDベースのストレージで必要な容量と性能を満たそうとすると、必要以上にディスクの本数が増えてしまう。「ディスクの玉の数を考えると、オーバープロビジョニングに陥りやすかった」(河西氏)とのことで、容量と性能の間にギャップが生じていたのである。
これを解決する方策がフラッシュだ。高速なI/O性能を持つフラッシュと容量を稼げるHDDのハイブリッド構成をとることで、容量と性能という2つの要件を満たす構成が実現する。
さらに最近、台頭してきたのがすべてのフラッシュで構成したいわゆるオールフラッシュストレージだ。オールフラッシュストレージは、ハイパフォーマンスが要求される用途に特化した超高速ストレージで、ベンチャーを中心に製品の登場が相次いでいる。
この結果、現在のストレージ製品はオールフラッシュ、HDDとフラッシュのハイブリッド、そしてHDDのみの従来型ストレージという3つのポートフォリオが存在する。そして、これら複数の製品は、ワークロードによって使い分ける必要があるというのが河西氏の意見だ。
もっとも効率のよいメディアの選択とは?
たとえば、「コンテンツデポ」と呼ばれるアーカイブ用途であれば、安価なSATA HDDのストレージで十分。一方で、数万単位のIOPSが求められる構造化されたデータベースにおいてはオールフラッシュストレージが最適になる。「複数の仮想マシンを格納するため、重複排除が効きやすいDaaS(Desktop as a Service)の分野では、小容量でも高速なオールフラッシュが向くという言われています」(河西氏)。
問題はHDDとオールフラッシュのハイブリッド領域。容量と性能のバランスから考え、さまざまなワークロードに対してここをいかに最適化するかが、ストレージベンダーにとって特に重要になる。幅広いメディアの選択肢がある現状、ネットアップでは、データの書かれ方、置かれ方などを顧客とディスカッションしながら、製品の組み合わせを検討しているという。
ネットアップのフラッシュ製品のラインナップ
(次ページ、ストレージ側でのフラッシュ活用とは?)
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