ヤフーでは、同社が運営する国内最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」に蓄積されたビッグデータから調査・分析を行った「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」を公開している。このたび16日に発表したレポートのテーマは「景気」だ。
今回のレポートは、「Yahoo!検索」等でユーザーが使用した検索キーワードをもとに「Yahoo! JAPAN景気指数」を策定しようという試み。内閣府が月次で発表する「景気動向指数」を指標とし、ビッグデータから景気動向の可視化を図ったわけだ。「Yahoo! JAPAN景気指数」を導き出す方法は複雑だが、要約すると、景気動向指数のうちの「景気動向一致指数」の動きと連動していそうな検索キーワードを抽出し、その検索キーワードの検索数の動きを「Yahoo! JAPAN景気指数」としている。
実際、レポートでは2009年12月~2013年2月の「景気動向一致指数」と「Yahoo! JAPAN景気指数」の推移を比較し、誤差は2005年を100とした指数で最大1.51、平均では0.51で僅差の範囲であったという。現時点で「景気動向一致指数」は2013年2月分が4月5日に速報として発表されているが、その数値は、「景気動向一致指数」が92.1であるのに対して「Yahoo! JAPAN景気指数」は91.9。その差はわずか0.2だ。なお、3月分の「景気動向一致指数」はまだ内閣府から発表されていないが、「Yahoo! JAPAN景気指数」の予想値では91.9で2月分からほぼ横ばいで推移。そこで、内閣府からの発表予定の「景気動向一致指数」もほぼ横ばいになるのではないかという予測がたつ。
Yahoo! JAPANのビッグデータから景気動向が可視化された「Yahoo! JAPAN景気指数」――「景気動向一致指数」は月次での発表となるが、「Yahoo! JAPAN景気指数」はその瞬間の検索キーワードの検索数の動きから算出できるのが特徴。週単位での算出が可能で、今回のレポートでは、3月最終週の「Yahoo! JAPAN景気指数」を92.6と算出。景気がやや改善しつつあると示した。
今回のレポートからは、Yahoo! JAPANのビッグデータから景気動向を探ることができる可能性があること、景気が横ばいから改善傾向にあることがわかった。さらに言えば、企業に蓄積されたビッグデータは新たな価値を生み出す資産になりうるわけだ。
「景気動向一致指数」と「Yahoo! JAPAN景気指数」の推移を比較