中国ではメーカーの経済状況が良くなっているのか、付加価値のないシンプルな製品群に加え、逆に今まで以上に“変わり種”かつバブリーな製品が続々と登場している。
それはまるでファミコン用コントローラー「パワーグローブ」や、100万円前後もしたハイレゾ(高解像度)なPC-98のような、日本のバブル期の製品を見ているようだ。
「IdeaCenter A720」をある意味超える
音楽用キーボード付属PCが登場
中国で最も人気のメーカーといえばお馴染みレノボ。レノボのノートPC向けGPUを搭載し、JBLのスピーカーを載せ、映画もゲームも満足に楽しめるノートPC「IdeaPad Yシリーズ」が、ここ数年他社を寄せ付けないほどの定番の機種になっている。
また、同社はデスクトップPCで10本指による10点マルチタッチが可能な27インチ液晶搭載の一体型PC「IdeaCenter A720」をリリースしている。
詳しくは「レノボの新世代オールインワンPC『IdeaCentre A720』がスゴい 」という記事で紹介されているが、モニターらしく液晶を90度近く立てて利用するだけでなく、テーブルに置いたタブレット、ないしはテーブル自身のようパネル面を地面と水平にして利用できる。
日本では当サイトしかり、IT系メディアでは特にプッシュされているが、中国ではIT系メディアはほどほどに、一部の家電量販店やレノボショップで目立つ場所に置かれている。しばしば店員がいじってはいるが、使い道は店員自身、あまりわかってなさそうな感じである。
IdeaCentre A720には大画面を利用したピアノアプリが導入されているが、家電の雄ハイアールは「ならば本物の(音楽の)キーボードの方がいいだろう」とPCにキーボードを標準添付させた「楽趣Q9」をリリースしている。
Idea Centre同様、10点マルチタッチ可能な27インチ液晶一体型のPCで、それ自体も充分に大きいが、添付するMIDIキーボードや専用台はさらに大きいため、筆者が実際に店頭で見たときも「なんだかとてつもなく大きい一体型PCだな」と感じた。
いずれもピアノ学習ソフト「U-Piano」が付属。CPUにCore i5-3330を採用し、4GBメモリー、1TB HDD搭載の下位モデル「楽趣Q9-C609」が12999元(約19万円)、Core i7-3770Sを採用し、8GBメモリー、2TB HDD搭載の上位モデル「楽趣Q9-C809」が19999元(約30万円)となっている。
バブリープライスではないので余談にはなってしまうが、ハイアールのPCで変わったところでは、中国声学研究院と共同開発した「X5」も面白い。「Siri」と同じコンセプトの音声アシスタントソフト「小叮当(中国で小叮当といえば“ドラえもん”である)」を搭載し、かつKinectのように目の前の人体の動きを認識して体感ゲームが遊べる機能を搭載。こちらのお値段はCore i5-3317U、4GBメモリー、500GB HDDというスペックで4999元(約7万5000円)となっている。
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