2008年6月に発生した事件が引き金となり開催が中止されていた秋葉原中央通りの歩行者天国が、2011年1月23日から同年6月までの期間限定で再開することになった。
再開される歩行者天国のエリアは、従来より300mほど短くなった500mの区間で、秋葉原電気街の南端となる万世橋交差点から北端は末広町まで。
開催日はこれまで同様に日曜日のみで、実施時間は1月~3月が13時~17時、4月~6月は13時~18時となっている。
再開初日となる23日は、12時20分から千代田区長や管轄の万世橋警察署の所長、秋葉原電気振興会を始めとした地元団体の代表者らが出席した再開を記念する式典が、ベールサール秋葉原前の広場で行なわれた。
13時の歩行者天国の再開に先立ち、地元住民や万世橋警察、千代田区長などが出席する式典がベルサール秋葉原で行なわれた
出席した千代田区長が秋葉原の歩行者天国復活への祝辞を述べたほか、万世橋警察署所長からは、地元の協力で再開できることになったが、再開したあとも秋葉原協定を守って維持していくためにも、さらに地元や秋葉原を訪れる人々の協力が必要であると述べ、歩行者天国の健全な運用・実施への意気込みを望ませた。
式典は、2008年6月に起きた痛ましい事件の被害者への黙祷から始まった
歩行者天国の開始を待つ人だかり
歩行者天国の開始前にまもなく歩行者天国が始まることを告げるミニパト
2008年まで行なわれていた歩行者天国では、警察や行政の許可を得ずに路上ライブや物販、スケートボードやローラースケート、エアガンの乱射といった禁止行為が行なわれて一部問題になっていたが、復活した歩行者天国でも、それらの行為は以前と同様、禁止行為となっている。さらに、これまでは黙認状態となっていた、店舗によるチラシ配りや客引き行為の禁止を新たに取り決めている。そのほか、警察や行政スタッフ、地元住民などによる巡回を増強して、禁止行為の根絶を目指すとのことだ。
ちなみにこれらの禁止行為は、歩行者天国となっている中央通りの車道のみならず、秋葉原の歩行者天国が行われているエリア全体に適用されるため、路地裏などでもチラシ配りなどは厳禁だ。
開始1分前に最後の白バイが中央通り抜け、安全を確認した
歩行者天国が始まった直後に中央通りは、歩道から人が溢れ出した
パトロールする地元の人々
歩行者天国の禁止事項の看板も至る所に設置されていた
万世橋交差点から歩行者天国を望む。またこの光景が見られたことを、素直に嬉しく思う
秋葉原駅前で露店やサンドウィッチマンたちが歩行者天国開始早々から注意されていた
秋葉原のお店に聞いてみた
歩行者天国の再開前日の1月22日にASCII.jpでは、秋葉原で働く店舗スタッフやビジネスマン、地元の住人32人に「歩行者天国の再開で、中央通りに人は増えるか?」といったアンケートを実施してみた。その結果とともにいくつか気になった意見をお伝えしていきたい。
- 歩行者天国が再開された直後は一時的に増えるかもしれませんが、なんでもかんでも禁止になっているため、活気がないので、すぐに飽きられちゃうんじゃないでしょうか?
- 私の希望も混ざっていますが、増えると思います。いいお客さんだけが増えてくれるといいんですが……。
- よくも悪くも増えると思いますが。いままでヨドバシさんに流れていた人が、回ってみようと思っていただけるんじゃないかと期待しています。
- お客さんが増えるかはわからないですが、人は増えると思います。あとは何も起きないことを祈るばかりです。小競り合いが起きただけでも、すぐにニュースになってしまうと思うので。
- 人は増えそうですが、うちみたいな裏側のお店まで回ってくれるかどうかはわからないですね。
- どちらとも判断がつかないというか、人は増えるけど、それと同時に今まで秋葉原が好きで来てくれて人が来なくなっちゃうんじゃないかと思います。
- 面白くもないただ、道を歩けるだけ。しかも監視の目があちこちにある歩行者天国に来て楽しい人なんていないので、初回、2回目くらいまでは人はいるかもしれないけど、最終的には人は減るんじゃないかと思いますよ。
- 減ります。いまさら増える理由がないですから。歩行者天国の復活も大切だと思うけど、もっと売れるヒット商品がほしいです。歩行者天国の運用もただ禁止じゃなくて、もっとやりようはあったと思うんですけどね。
- ギスギスした雰囲気になって、みんな来たくなくなっちゃうんじゃないですかね?
- 歩行者天国の復活で中央通り(秋葉原)に人は増えると思いますか?
- はい:26
どちらでもない:1
いいえ:5
アンケートに回答してもらった数は極少数だが、ご覧のとおり、歩行者天国が復活しても人は減るだろうという意見もあったものの、全体的には歓迎する意見が多かった。ASCII.jpとしては新しい風を運ぶ歩行者天国の再開を歓迎し、これからの動向に注目したい。