カンファレンスが多いに盛り上がったMeeGo
非営利団体であるLinux Foundationの組み込みLinuxプロジェクト「MeeGo」のカンファレンス「MeeGo Conference 2010」が11月15日から3日間、アイルランドのダブリンで開催された。登場して1年も経たない新しいモバイルプラットフォームのMeeGoだが、開発者らの関心はまずまずのように思えた。
MeeGoは、2010年2月にIntelとNokiaが共同で立ち上げたプロジェクトだ。Intelの「Moblin」とNokiaの「Maemo」というそれぞれが進めていたモバイルLinuxの取り組みをマージさせ、中立のLinux Foundationにプロジェクト運営を託すことで一大勢力となることを図っている。
携帯電話業界最大のイベント「Mobile World Congress 2010」で発表されたこともあり、当初は「Android対抗の敗者連合か?」と見る向きもあったが、MeeGoが狙うのはスマートフォンだけではない。モバイル端末から車載システム(IVI)まで、最初から幅広いデバイスセグメントを狙っている。実際バージョン1.0ではネットブック向けUIの「Netbook UX」が登場。携帯電話向けの「Handset UX」が登場したのは、10月に公開されたバージョン1.1からだ(MeeGoは、共通基盤のコアOSとUser Experience(UX)に分かれている)。
今回のカンファレンスは、バージョン1.1が10月にリリースされたことを受けてのイベントとなる。MeeGoは6ヵ月おきのリリースを目指しており、次回(バージョン1.2)は2011年4月。その後2回目のMeeGo Conferenceがアメリカで開催されることになる。
現時点でMeeGoを搭載した製品はIPTV用STBの「Amino」(英Amino Communications)、ASCII.jpでも紹介したドイツ4tittoのタブレット「WeTab」ぐらいしかない(関連記事)。当然、カンファレンスに展示されているのは試作機ばかりだが、それでもカンファレンスは盛り上がった。
1つは初日に発表されたIntelのライバルであるAMDのMeeGo参加がある(MeeGoはIntel AtomとARMに対応している)。また、Intelが参加者(ほぼ)全員に配布したタブレット型ネットブック「Lenovo IdeaPad」の効果もあるだろう。
基調講演でIntelのシステムソフトウェア事業部ゼネラルマネージャーのDoug Fisher氏が「開発ツールとして全員に配布する」と述べると、会場からは大きな拍手。Appleの「App Store」やAndroidマーケットなど、アプリストア上のソフトの本数でプラットフォームの人気が競われている現在、とにかくMeeGoアプリをどんどん開発してほしい、というメッセージは強く伝わったはずだ。
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