JavaScriptの利用範囲がどんどん広がっています。ライブラリの充実によって、比較的手軽にいろいろなことができるようになり、Webサイト/Webアプリケーションだけでなく、今やモバイルデバイスやデスクトップアプリケーションなどの分野でもJavaScriptが活躍するようになりました。
本連載では、多数のJavaScript関連書やASCII.jpの連載「29分でできる!あのサイトの技を盗め」の執筆でもおなじみの古籏一浩氏が、最新のAjax/JavaScriptライブラリの解説から、今後注目される新しいJavaScriptの活用Tipsまで、“楽しくできて役立つネタ”をお届けします。
初回は「iPhone 3GS」に合わせてリリースされたiPhone OSの新バージョン「iPhone OS 3.0」がテーマです。iPhoneならではのGPS機能をSafariのJavaScriptで活用する方法を紹介します。
(編集部)
iPhone OS 3.0とGPS
Photo by William Hook. Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 Unported license. 写真はイメージです
6月18日、iPhone OSが3.0にバージョンアップしました(関連記事)。コピー&ペーストの対応や文字入力の使い勝手の向上といった部分が大きく取り上げられていますが、実は内蔵のWebブラウザー「Safari」上で動くJavaScriptにGPSデータの取得機能が追加されたのも隠れた新機能の一つです。
iPhoneにはもともとGPS機能が搭載されていますが、自分でGPSデータを取得し、活用するには、以前ならアプリケーションを開発しなければなりませんでした。iPhone OSが3.0になったことで、SafariとJavaScriptを使ってGPS機のようにGPSデータを記録し、再生できるようになったのです。
そこで今回から2回にわたって、SafariのJavaScriptを使ってGPSデータを取得する方法を紹介します。ただ取得するだけではつまらないので、取得した位置情報をデータベース (iPhone上のSQLite)に格納して、保存したデータをGoogleマップ上で再生するスクリプトを作成してみましょう。データベースに保存するので、電源を落としてもデータは残ったままです。サーバーにデータを送信することもないので、個人的な記録データとして保持できます。また、iPhone OS 3.0ではコピー&ペーストがサポートされているので、記録した位置情報を表示し、コピーしてメールで送信する、といった使い方もできます。